2019年3月に聴いた音楽 (細野晴臣、AtomTM、空中泥棒(공중도둑)、Lalezar )

3月は以前から好きだったアーティストの曲を聴くことが多く、新譜はあまり聴きませんでした。なので紹介する量も少なめ。


細野晴臣「HOCHONO HOUSE」


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1973年の1stソロアルバム「HOSONO HOUSE」を細野晴臣自ら1人でセルフカバーした新作。演奏、打ち込み、mixまで細野晴臣が1人で制作。オリジナルの「HOSONO HOUSE」の魅力を、日がな一日セッションを繰り返してそうなミュージシャン達の自由な演奏に感じていたので、1人でセルフカバーって大丈夫かと思っていましたが、聴いてみたら流石のおもしろさ。豊かな音楽性が感じられて素晴らしかったです。この頃の細野晴臣がよく語っているのが現代の音楽作品の音像についてで、この新作も確かに今風の柔らかい感じのスカスカしているというかモワモワしているような実体感の希薄なサウンドだなと思いました。まあ専門的なことはよくわかりませんが。

「僕は一寸・夏編」で変更された歌詞に「この道はいつか来た道」北原白秋作詞の唱歌「この道」の引用があって、細野晴臣はアルバム「コチンの月」でも北原白秋の名前をもじって西原朱夏という変名を用いていたので、そこの影響もあるんだなと発見。

余談ですが改めて「HOSONO HOUSE」も聴きこんでみて思ったのが「終わりの季節」の歌詞がよくわからないなと。これはどういう状況なんだろうと思っていたら、ちょうど読売新聞のインタビューでこの曲について「(はっぴいえんどの)松本隆と、大瀧詠一と僕の3人で、電車が見下ろせるところに車を止めて寝たんです。その一夜の、車の中からのイメージ。」と語っていて、なんとなく納得しました。まあ「HOCHONO HOUSE」ではインストになってるんですが。

AtomTM / Lisa Carbon「Trio de Janeiro」

「HOCHONO HOUSE」から繋がって、90年代に細野晴臣とHATというテクノユニットを組んでいたドイツ出身チリ在住のテクノミュージシャンAtom Heart(AtomTM)のアルバム。大量の変名を持つ非常に多作なアーティストで、私は以前からファンだったものの3月には聴いたことがないものも含めてこの人のアルバムを大量に聴きました。まあ大体どのアルバムを聴いても似たような良さ、おもしろい電子音とかユーモアのセンスがあるのですが、中でもLisa Carbon名義の作品はMoogのインプロ的な演奏やラテン音楽要素等のまとまりが良いのでこれを紹介。(Lisa Carbonは実在するAtomの奥さんだという話もあり、TEI TOWAがLisa Carbonとの写真をネットに上げてるのも見たような覚えはありますが、多分それもユーモア?)

空中泥棒(공중도둑)「Crumbling」

韓国のインディーズ宅録SSW。去年ネットでたまたま曲を聴いて、「これは後でちゃんとアルバムチェックしよう」と思ったもののほったらかしにしていたのをやっと聴いてみたら素晴らしかった。ジャンル的にはフォークトロニカに当てはめるのが一番合ってそうではあります。そこそこ知られている人なのかそうでないのかも全然わかってなかったのですが、日本でも一部の音楽好きの間では話題になっていたようです。インタビューを読むと再生スピードを自由に変えられる語学練習機を使ってるみたいで、多分それがおもしろい音になっているんでしょう。

Lalezar 「Sultan Composers」

先月からの流れで相変わらず中東辺りの音楽も聴いてますが、これはオスマン帝国の皇帝スルタン(セリム3世、ムラト4世、メフメド6世など)が作曲した曲を演奏したもの。聴きこむほどに落ちつきのあるアンサンブルが馴染んできて良いです。カーヌーン(ツィターみたいな楽器)やタンブール(弦楽器)の音色が好きですね。スルタンの作曲というところにいかにも現代には失われた異国情緒を感じられて魅惑的です。

終わり。