【映画】「アリータ:バトルエンジェル」2回観に行くほどおもしろい!

先日、木城ゆきとのSFバトル漫画「銃夢」を原作とする映画「アリータ:バトルエンジェル」を3D吹き替えで観てきました。結論から言うと大満足。もともと原作の読者で、こういうタイプの作品が好きというのもありますが、すげーおもしろかったです。なので2回観に行きました。そのくらい良かった。

「アリータ:バトルエンジェル」(監督:ロバート・ゼメキス、製作・脚本:ジェームズ・キャメロン、原作:木城ゆきと)

ALITA: Battle Angel All Clips & Trailers (2019)

ALITA: Battle Angel All Clips & Trailers (2019)
「アリータ」のトレイラー集。

これから、この映画を観るかもしれない人に言ってもよさそうなのは、「途中で終わる映画」だということ、「SFアクション好きな人向け」ということでしょうか。

「途中で終わる」というのは、言ってみれば「めちゃくちゃ予算をかけた連続ドラマの1話目」みたいな映画だということで、作中に出てくる一番大きな謎はわからないまま終わります。私としては作中で示されたストーリーラインは綺麗に解決、回収されていると思ったので、そこに不満や消化不良感はありませんでした。でも続編は絶対作ってほしい。

「SFアクション好きな人向け」というのは、恋愛要素や「本当の自分を見つける」みたいなテーマもありますが、基本的にはバトルものが好きな人向けということです。迫力ある映像を楽しみたい人向けなので3Dで観た方が良いというのもあります。

ネタバレを抑えての感想(アリータの目、OVA版の影響)

アリータの目

映画が公開されるころには「もう目の話題はいいよ、ちょっと真新しいビジュアルなだけだよ」くらいに思っていたのですが、いざ映画を観て意外にも驚かされたのが「アリータの目の美しさ」で、アリータの目を眺めること自体がまずもうおもしろかったです。 だから私の「アリータの目」に対するスタンスは「観てると気にならなくなる」というより、「この目が良い!」という感じです。まあ、これは映画館の大きなスクリーンで見ないと感じないことかもしれません。

最初、役者の目だけでかくしてるのかと思ったらアリータ丸ごとCGで驚きました。

映画『アリータ:バトル・エンジェル』メイキング映像

映画『アリータ:バトル・エンジェル』メイキング映像
「アリータ」で使われたパフォーマンス・キャプチャー技術を紹介するメイキング映像。

主演のローサが「私の顔のニュアンスが丸ごと乗り移ってた」と語ってますが、これがマジですごい。普通に実在する人間のように見えてきます。

アリータの目には実写なのかCGアニメを見ているのか混乱させられるおもしろさもありました。SF要素の薄いシーンでもアリータがいることで、どこか異質というかおもしろく見えます。

OVA版「銃夢」の影響

そもそもキャメロンがなぜこの大きな目をやりたかったのか、インタビューなどを読んでもイマイチよくわからないのですが、思ったのは、これはOVA版「銃夢」の影響が大きいのではないかということで、つまりOVAの結城信輝によるキャラクターデザインは目が大きくて美麗なんですよね。キャメロンはこのOVAにある目の魅力を再現したかったのかもなと思いました。

「アリータ」自体、原作とそのOVA版(アニメ)を基にハリウッド流にブラッシュアップしたという感じの映画で、結構OVA版そのまんまなところもあります。あの手の90年代にマッドハウスがOVAで作っていたような、次々に変な敵が出てきて倒していくみたいな世界観がちゃんとハリウッドでちゃんと映画化されたということも、オタクにとっての重要ポイントです。まあ、川尻善昭作品ぽいというか、OVA版「銃夢」もマッドハウス絡みです。


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ネタバレありの感想(モーターボール、脚本を擁護する、など)

とりあえず、モーターボール戦はキャメロンがやりたかっただけあって最高で、マジでモーターボールをメインに続編作って欲しいくらい。ついでにゲームも作ってほしい。1回目に観たときにはすぐに終わった感じがしたのですが、2回目に観たときには「このキャラは酒場にいた奴で、あいつがああいう動きをしてて~」などの内容を把握できた分長く感じました。個人的にお気に入りの敵は手にでかいチェーンソーみたいなのが付いてるやつで、モーターボール戦が始まる前の表情にヤバさがあって良かったです。原作に出てくるキャラクター、ジャシュガンは原作ファン向けのサービスなのか、一瞬だけ出てきてました。

クズ鉄町「アイアンシティ」も、遺跡みたいな建物がある意外性が良かったです。パイプの上の屋台通りはイドとチレンの会話シーンとモーターボール会場から脱出した後にも出てきていて、ちゃんと映画の前半に出てきたものを後半で利用しているというね、それもおもしろい。

あと、2回ともなぜか感動したのが、グリシュカ2戦目の終わりで犬が助けに来てくれるところで、ベタなんだけどなんか良かったです。

「アリータ」の脚本を擁護する

そして、「色々やろうとしすぎて話が混乱している」などといった脚本についての批判をたまに見るので、そこを擁護していきたいのですが、確かにこの映画、最初に見たときは中盤で少しダレたというか、よくわからないなという部分があって、そういう批判にもある程度同意できたのですが、2回目に観た時には「いや、充分よく出来てんじゃん」と。

おそらく劇中で一番わかりにくくなるのが、映画の中盤、チレンがグリシュカを修理するあたりから、最初のモーターボール観戦、ヒューゴが強盗するシーンあたりで、新しい情報が次々出てくるので観ている人の理解が追いつきにくいと思います。私も1回目に観たときは、ここらへんのシーンでちょっと混乱しました。しかし2回目に観たときには、「確かに細かく説明されないからわかりにくい部分はあるが、ストーリー、設定を理解させるための描写は充分にある」と思いました。(そういうストーリーや設定は「アリータ」のWikipediaでも読めば大体わかります)。そして、これら上記のシーンの主なテーマは「敵(グリシュカ)が強化される」ということで、その後のシーンではアリータがバーサーカーボディを発見し、「敵が強化され、こっちも強くなって戦うことになるだろう」という単純な大枠の流れが示されますが、このことも新たに出てくる情報の多さに埋もれて、やや把握されづらいのではないかと思います。しかしそこがわかりにくかったとしても、やろうとしていることは明確なので脚本が混乱しているということではないなと。

また、基本的にアリータにはさしたる目的がなく映画がどこに向かっているかわかりにくいというのも確かにあります。グリシュカに狙われているから戦うというのも受動的だし、後半もヒューゴのザレムに行くという目的に乗っかっているだけです。しかし、アリータはラストでやっと目的を持ち「ああ、これは連続ドラマの第1話みたいな作品なんだな」と理解できるので「映画としてはどうなんだ」というのがあったとしても納得はできます。

他には「チレンが最後にアリータを助けるのが唐突」ということについても、最初はある程度同意できたものの、2回目を観ると変わって、つまりチレンの短い登場シーンの中で、彼女の娘を失った悲しみとか、イドがその悲しみをアリータで埋めようとしているように見えることへの怒りとか、細かい心の機微がそれなりに描かれていることに気づきました。なので、私としてはアリータを助ける事情を察せられるだけの内面は描かれていると思ったのでありだなと。

結局、映画を観に行って満足するかどうかというのは、そこで食べたいものを充分に食べさせてくれるのかということで、迫力あるバトル、モーターボールシーンなんかが好きな人には脚本に欠陥があろうがなかろうが好きな映画だろうし、そうでない人にはそうでないというだけのことなので、正直細かい擁護をしても大して意味はないとは思いますが、まあ、そこまで話がおかしいということはないと思ってもらえれば、ということで一応書いておきました。

以上、感想でした。

Dua Lipa – Swan Song (From Alita: Battle Angel) [Official Music Video]

Dua Lipa – Swan Song (From Alita: Battle Angel) [Official Music Video]

EDで流れるDua Lipa「Swan Song」のMV。「アリータ」の世界観とコラボした内容になっているようです。「最後に急にかっこいい曲流れてきた!」と思ってちょっと驚きました。 映画館の音響で聴くとさすがに迫力が違いましたね。

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