【映画】「カメラを止めるな!」の魅力を感じた部分

先日、金曜ロードショーで放映されていた低予算の話題作「カメラを止めるな!」を観た感想。

一言、ネタバレなしに感想を言うなら「結構おもしろかった」。これ以降はすでに観た人向け。

カメラを止めるな!(監督:上田慎一郎、主演:濱津隆之)

映画『カメラを止めるな !』予告編
この予告動画にはネタバレになっている箇所があります。

いきなりネタバレしつつ結論から言うと、劇中劇の「ONE CUT OF THE DEAD」パートはかなり楽しんだが、その後の舞台裏パートになると「意外と普通の明るい映画だな」という感じで物足りなさがあった。とはいえ、総合的には結構楽しめて良い映画だと思った。

本編視聴時の感想

そもそも、この映画が話題になっていたときに、あらすじを見聞きした記憶がぼんやりとあり、また金ローで映画が始まる前に監督や出演者が「途中で観るのをやめないで」「前半の違和感を覚えていて」というようなこと執拗に言っていたので(もはやネタバレじゃんと思ったが)、あらかじめ何か仕掛けのある映画だと理解している状態で視聴した。(とはいえ、前情報がなくても仕掛けのある映画だということには、ほどなく気づいたと思うので、そのことでこの映画への評価が変わるとは思わない。)

映画が始まってすぐに「カット」の声がかかるシーンで「多分この映画撮影(ドラマ撮影?)という状況自体も劇中劇になっている入れ子構造なんだろう」ということは確信こそないが予想できた。こういった見せ方は入れ子構造作品のセオリーのようなものなので、こういうタイプの作品をいくつか見たことがある人間ならとりあえず思い付いてしまうことだろう。

さらに観ていくうちに、撮影中に何かトラブルが起きていて、その答え合わせが後々に行われていく映画なのだとはわかったが、無理に演技を続けなければならない状況が想定できず、それらがどう解かれていくのかを待つことに楽しみがあったし、登場人物達の不可解なやり取りが作り出す違和感それ自体にもシュールなおもしろさがあった。

劇中劇が終わるとそれが生中継だったとわかり、「なるほど、だから演技を続けなきゃならなかったんだ、おもしろい設定だな」と納得したが、しかしその後の答え合わせでは、どうにも意外性のあるネタが少なかった。撮影に入った後ではトラブル面以外の実際の舞台裏のドタバタさを見せるおもしろさもあったものの、状況説明的で盛り上がりに欠けると感じた。まあ、前半に37分のワンカットなので、それに比べたら落ちついて感じられるのも当然なのだろうが。

「ONE CUT OF THE DEAD」の魅力

しかしなんにせよ、すでに書いたように総合的には結構楽しめた映画で、正確に言えば私は「カメラを止めるな!」という映画は良い映画だとは思うがあまり好みではない、という感じなのだが、「ONE CUT OF THE DEAD」という映画はかなり好きというということになるかもしれない。

この「ONE CUT ~」自体にB級ホラー映画のパロディという側面があり、そこには低予算映画が低予算映画のパロディをしているというニッチを突き詰めたようなおもしろさがあるし、ワンカット撮影によって現場の熱気や飛び出しそうな勢いが捉えられており、ロケ地を縦横無尽に行きつ戻りつする空間の使い方や、バイオレンスシーンの表現などからは低予算映画だからこその工夫を見てとることができる。いかにも「口コミでおもしろさが広まったカルト映画」然とした魅力がこの「ONE CUT~」にはあるのだ。

もし「カメラを止めるな!」に、このカルト映画然とした雰囲気を持つパートがなかったとしたら、おもしろいと思えたかどうかわからない。

まとめ


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「カメラを止めるな!」評を見ると、「前半はつまらないけど後半がおもしろい」というものや、反対に「後半はつまらないけど前半はおもしろい」というものがあり、この劇中劇パートと舞台裏パートで異なる視聴者層を惹きつけていることがわかる。

私見だが「カメラを止めるな!」は半分はカルト映画でもう半分は大衆娯楽映画だったのだ。それがこの映画の人気の秘密なのではないかと思った。

終わり。

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