【水墨画】雪舟の「慧可断臂図」の魅力

最近今まであまり関心を向けてこなかった日本や中国の古い水墨画に興味があって、とりあえず雪舟良いなと。

そもそも雪舟について簡単について説明すると、室町時代の1420年に生まれ、10代で宝福寺に預けられ禅僧になり、1467年には遣明使に随行する形で中国に渡り本場の水墨画を学び、日本に戻ってきて日本独自の水墨画を描いたという日本の美術史に残る画僧です。真偽不明の涙で描いたネズミの絵のエピソードも有名。

「慧可断臂図」の魅力

雪舟の水墨画というのは、本場中国のものと見比べるとこじんまりとまとまっているように見え、そこに日本的な親しみやすさもあったりしますが、特に良いと感じるのが山肌や岩の質感表現で、中でも「慧可断臂図(えかだんぴず)」の岩壁が良いです。

雪舟「慧可断臂図」、「週刊 日本の美をめぐる 水墨画の巨人 雪舟」(小学館ウィークリーブック、2002)より

慧可断臂図」は禅の有名な伝説、岩窟の中、岩壁に向かって座禅をし続ける禅宗の祖、達磨と弟子入りを志願するため左腕を切り落とし差し出す神光(慧可)を描いたもので、色々と見どころのある絵なのですが、この岩壁の緻密な描きこみ、荒々しい造形が非常に良いです。日本美術でしばしば見られる平面を重ねて立体的な奥行きを作るようなレイヤー的な表現や、達磨の衣服や地面のほとんど抽象的なデザインなんかも独創的。はっきりいってかっこいい。

この絵は明の画家、戴進が描いた「達磨六代祖師図」がいわば元ネタとしてあるようなのですが、雪舟がこの絵を基に、より独自的な表現に踏み込んでいることがわかります。

戴進「達磨六代祖師図」、「週刊 日本の美をめぐる 水墨画の巨人 雪舟」(小学館ウィークリーブック、2002)より

雪舟はその当時としては、かなり前衛的な画家だったのかもと思いましたが、なにぶん詳しくないのでわかりません。まあ、なんにせよ「慧可断臂図」の魅力を伝えようという記事でした。


余談ですが、本屋に行って水墨画の画集なりを探そうと思っても、意外とないですね。教本の方が多かったり。水墨画を観て楽しむという人よりも、描いて楽しもうという人の方が多いのかもしれません。

終わり。

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