【本】「鈴木敏夫のジブリ汗まみれ 1」の感想 (庵野秀明の「もののけ姫」評、ミッキーマウシング、「スター・ウォーズ」)

読んだ本の紹介と感想。



鈴木敏夫の ジブリ汗まみれ 1

本書「鈴木敏夫のジブリ汗まみれ 1」(復刊ドットコム、2013)はスタジオジブリのプロデューサー鈴木敏夫が2007年から放送中のラジオ番組でゲストを招いて行われたトークを単行本シリーズ化したもの。

ゲストの顔ぶれが多彩で、阿川佐和子/山田太一/庵野秀明/太田光代/坂本龍一/志田未来・神木隆之介/辻野晃一郎/宮崎駿/ジョージ・ルーカス/川上量生となっている。

全体的にジブリの裏話が多く、宮崎駿、高畑勲の人となりが改めて感じられるが、個人的には庵野秀明、坂本龍一とのトークに専門性の高いところがあっておもしろかった。


庵野秀明から見ると「もののけ姫」はレイアウトがダメらしく、画面が平面的で空間が取れていないという。あれだけレイアウトが世界一の人だったのに歳とったのかなと思ったらしいが「ポニョ」ではまた粘りが出ていて良かったらしい。うーん、気づかなかったが言われてみると確かに「もののけ姫」は空間を感じさせる画が少なかった気も?

坂本龍一とのトークはほぼ映画音楽と効果音の話だが、「ミッキーマウシング」についての話がおもしろかった。これはつまりミッキーのアニメであるような動作を音楽で表現してシンクロさせる手法のことなのだが、坂本いわく映画音楽業界で一番やっちゃダメなことの代名詞らしい。その理由については細かく語られていないが、多分カートゥーンみたいになって安っぽく感じさせるからだろうか?ジブリではディズニーと同じになったら嫌だからやっていないという。

他、「ナウシカ」制作当時には日本映画でオーケストレーションを使った映画音楽は少なく、鈴木敏夫は「スター・ウォーズ」を観て「それをやるのもいいかなあ」とその影響について語っていた。坂本が「スター・ウォーズ」のテーマの元になっているらしいコルンゴルトという戦前ハリウッド映画音楽の巨匠の曲を紹介していて、気になったので調べて聴いてみたが、なるほどという感じでおもしろかった。↓

コルンゴルトはオーストリア出身の作曲家で彼の後期ロマン派的手法がハリウッド映画音楽の一つのスタンダードのようなものになっているらしい。

ジョージ・ルーカスと鈴木敏夫で何を語っているのかにも興味があったが、あまり大した話はしてなかった。宮崎駿の影響もあってディズニーの昔の手描きアニメを見ている鈴木がルーカスにそういうのものを作ってほしいと勧めるも、ルーカスは「自分がデジタル化を推し進めてきた張本人だから私に勧められても・・・(笑)」というような具合。


その他にも色々とおもしろい話があったが、割とすでに知られている内容も多く、まあジブリ好きなら読んでおいても良いんじゃないかなという本だった。

終わり。

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