【映像作品】伊藤高志「C.E AW 2014」などについて

「C.E AW 2014」

C.E AW 2014 from c.e on Vimeo.

映像作家の伊藤高志が監督したストリートウェアブランドの「C.E」の2014年秋冬コレクションのムービーを発見した。

伊藤高志の公式サイトにもこの作品について書かれていなかったので、つい最近まで知らなかった。

伊藤高志は1956年福岡市生まれの実験映画の監督で、特殊効果を巧みに用いた鮮烈な映像表現は世界的に評価されている。

この「C.E AW 2014」は伊藤高志らしいコマ撮りの作品で、過去作の「THUNDER」(82年)などを思わせる内容だが、実験映画の手法がコマーシャルらしいスタイリッシュな映像を作り出していて新鮮だった。


伊藤高志のこれまでの作品はDVDで発売されている。

芸術性の高い映画の上映や作家の育成を行うイメージフォーラムの出版部門、ダゲレオ出版からのリリース。


個人的な話をすると、伊藤高志の作品を初めて見たときは「こんなにかっこいい映像を作る人がいたのか!」と衝撃だった。

しかし、さらに「この人は素晴らしいな」と思わされたのは彼の公式サイトを見たときだった。

まず、プロフィールページを見ると伊藤高志自身が自分のプロフィールを事細かく書いているのである。

しかも、そこに書かれたプロフィールはありがちなテンプレート的なものではなく、実験映画作家のイメージからはかけ離れた人間味に溢れた内容だったので驚いた。

例えば、子供の頃は漫画家を目指していたが手塚治虫の「火の鳥」に衝撃を受けて諦めたとか、松本俊夫を絶対感動させてやると思って処女作「SPACY」を作り上げたとか、そんな調子なのだ。

この人は本当に映像を撮るのが好きで夢中でやっているんだなということが感じられる内容だった。

そしてフィルモグラフィーのページでも自身の作品について、それがどういう作品なのか、なぜそういう映像を撮ったのか、ということが平易に簡潔に記されている。

そこには飾ったところやハッタリ、高尚ぶった難解さはなく明確である。

私は伊藤高志のあの前衛的で鮮烈な映像が、意外にも人間味溢れるシンプルな映像表現への情熱から生み出されていたのだと知って感動した。

そして、だからこそ伊藤高志の映像は観るものに響くのだと思った。

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