【アルバムレビュー】Tom Recchion「Proscenium」【ドローン/エクスペリメンタル】

聴いたアルバムのレビュー。

今回はTom Recchionの2012年のアルバム「Proscenium」。

Tom Recchion「Proscenium」(Elevator Bath,2012)

Tom Recchionはロサンゼルスの前衛音楽集団Los Angeles Free Music Society (LAFMS)のメンバーで、私は彼の「Chaotica 」というアルバムが好きだったので今作も聴いてみた。

アルバムタイトルの「Proscenium」とは近代劇場の舞台前部のアーチのことらしく、つまり幕が垂れ下がっているあの額縁上の部分のことらしい。

「Proscenium」は音楽ジャンル的には前衛的なエレクロトニック・ミュージックでドローンの作品。

音楽的な心地良さを追求しているような感じはあまりなく、むしろその主張のしなさにアンビエント的な心地良さを感じる。

聴き手に傾聴することを要求してこないので聴きやすい。

この手のジャンルの音楽は重重しくてドロドロしたものも多いが、この作品はアルバムジャケットに示されている煙のような独特の軽さ、美しさがあり、エレクトロニカ的な清潔な雰囲気もある。

1~5曲目までは幽玄な、とらえようによってはホラー映画のBGMのようなところもあるが、最後の6曲目はうるさめの曲でちょっとビックリした。

by カエレバ


調べると、どうもこのアルバムの曲はJanie Geiserというアーティストの「Invisible Glass」という人形劇のための音楽として作られたようだが、詳細がわからなかったので間違えてるかも。

Invisible Glass (excerpt) from Janie Geiser on Vimeo.

これはエドガー・アラン・ポーの「ウィリアム・ウィルソン」というドッペルゲンガーをテーマにした短編小説をベースにした物語らしい。

とすると、やはりホラー映画のBGMのような~という印象も間違いではなかったか。

最後の曲だけうるさいのも物語のクライマックスのサウンドトラックということなのかもしれない。


Tom Recchion「Proscenium」に似た感じのする作品として、細野晴臣の「銀河鉄道の夜」のサントラとNuno Canavarroの「Plux Quba」が思い浮かんだ。

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